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第13話 私ばっかり

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-06-12 12:33:30

キッチンで生姜焼きを温めながら、私は何度も深呼吸していた。

フライパンの中で、じゅう、と音がする。

いい匂いのはずなのに、全然お腹が空かなかった。

背中の向こうでは、悠斗がテレビをつけている。

いつもの夜。

いつも通りの部屋。

なのに、胸の奥だけがずっと落ち着かない。

「真琴ー?」

「……なに?」

「なんか飲み物ある?」

「お茶でいい?」

「ん」

私は冷蔵庫を開ける。

コップに氷を入れて、お茶を注ぐ。

その手が少し震えていた。

さっき見た写真が頭から離れない。

楽しそうに笑っていた悠斗。

私には向けない顔。

私はコップをテーブルへ置く。

「はい」

「ありがと」

悠斗は気づかない。

私がこんなに苦しくなってること。

……いや。

気づかせないようにしてるのは、私だ。

「ご飯できたよ」

「お、うまそう」

悠斗は席へ座る。

本当に普通だった。

だから私は余計に分からなくなる。

あの写真は何だったんだろう。

本当にただの飲み会?

私が気にしすぎ?

でも。

『早く帰る』って言ったのに。

私は向かい側へ座る。

悠斗は生姜焼きを一口食べて、

「
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